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唯一残ったトラディショナルなシャトーヌフ・デュ・パプ

イタリア、ピエモンテから移住したジャン・ベルシノによって1955年に設立されたボワ・ド・ブルサン。
シャトーヌフ・デュ・パプ村に位置しており、元々は3haのブドウ栽培農家としてスタート。 1987年に現当主のジャン・ポールが相続するまで生産量の半分はネゴスに販売していました。
ジャン・ポールの代になり、ネゴスへの販売を減らし、 畑を有機栽培へ変更。1999年には認証も取得しましたが、ワイン造りは一切変えていません。

シャトーヌフ・デュ・パプ全域に27区画を所有している畑の総面積は18ha。 ローヌ川に近いチョークを含む土壌、 北部の砂岩、南部の石に覆われた赤土など、16種類の土壌が広がっています。
多彩な土壌の畑が個性豊かなブドウをもたらし、アッサンブラージュの可能性が広がる事で、ワインの複雑味に寄与します。
また、ほとんどのブドウ樹が60〜70 年代に植樹されていて樹齢40年から80年、最も樹齢の古いもので100年以上を誇ります。 彼等のワインには古樹ならではの滋味深い染み出すような味わいがあり、作為的なコントロールされた風味を感じる事はありません。

醸造面では最も伝統的な方法を守り、複数品種を一緒に発酵しています。
セメントタンクで野生酵母のみを用いて発酵。熟成はフードルやスラヴォニアン・オーク大樽、アルザスのビールの熟成に使っていた大樽と色々。 バリックは一切使用せず、古樹のブドウが持つ複雑味を表現しています。
流行の濃厚なシャトーヌフ・デュ・パプでとは全く違う、ブルゴーニュやバローロのような伸びのあるワインは、細かく緻密なタンニンを感じます。
アタックより繊細さを楽しめる、唯一残ったトラディショナルなシャトーヌフ・デュ・パプと言えます。

上品な魅力を放つクラシカルな味わい

グルナッシュ70%、ムールヴェードル30%、シラー等。樹齢40年から80年の色々な畑のアッサンブラージュ。
年によって多少異なるものの基本的には全房を使い、野生酵母のみでセメントタンクで発酵。 フードル、スラヴォニア大樽などを用いて熟成。
多種多様な土壌、ブドウがもたらす複雑さがありながらも美しい均衡を保っています。

ラズベリーやプラムのフレーバーに、胡椒などのスパイス、レザーやムスクなどのニュアンスが奥行きを感じさせます。
華やかな香りとシルキーなタンニンが心地よく、全房のフレッシュ感により、芳醇ながらエレガントなスタイル。 強いアタックを持つ現代的なシャトーヌフ・デュ・パプではなく、上品な魅力を放つクラシカルな味わいが楽しめます。